運動で脳を鍛える科学【Huberman Labまとめ】
私たちの脳機能と寿命に、運動がどれほど強く関係しているかご存じでしょうか?
今回は、スタンフォード大学教授アンドリュー・ヒューバーマン氏によるHuberman Labから、運動が脳を若返らせる科学的メカニズムを徹底解説します。
骨と脳をつなぐ「オステオカルシン」
- ジャンプ運動は、骨に負荷をかけることで「オステオカルシン」というホルモンを分泌。
- オステオカルシンは海馬の神経新生を促進し、学習・記憶能力を高める。
- 推奨される運動例:
- 縄跳び(高めにジャンプ)
- ボックスジャンプ
- ハイニー(高く膝を上げるジャンプ)
ポイント:安全に行い、怪我しないことが最重要。
運動による「BDNF」の奇跡
- BDNF(Brain Derived Neurotrophic Factor) は、脳神経の成長と保護を促すタンパク質。
- ただし、BDNFは活動中のニューロンに対してのみ効果を発揮。
- 活動中(電気的に発火している)ニューロンにBDNFが作用し、学習能力が高まる。
✅ 運動 → ニューロン活動 → BDNF放出 → 神経強化
ラクテートが脳に燃料を送る
- 強度の高い運動で生成される ラクテート(乳酸) は、脳の燃料として使われる。
- ラクテートは:
- 食欲を抑制
- 血液脳関門(Blood Brain Barrier)を強化
- BDNF分泌をさらに促進
つまり、強めの運動後に集中力が高まるのは科学的に裏付けられた現象です。
必ず取り入れたい4種類のトレーニング
ヒューバーマン氏によると、 脳を強化するためには以下4種類の運動が必須 です。
- ゾーン2トレーニング(長時間・低強度の有酸素運動)
- 例:45〜75分間のジョギング、バイク、スイムなど
- 高強度インターバルトレーニング(HIIT)
- 例:2分全力 → 3分休憩を4セット
- タイム・アンダー・テンション(TUT)トレーニング
- 筋トレ時、ゆっくり動作し、筋肉の緊張を維持
- ジャンプ&エキセントリックトレーニング
- 例:ジャンプ+着地時の降下動作をゆっくりコントロール
これらを週にそれぞれ1回ずつ以上組み込むことが推奨されています。
「嫌な運動」こそ脳を若返らせる秘密兵器
- 「やりたくない」と感じる運動をあえて行うと、脳の 前部帯状回(anterior mid-cingulate cortex, aMCC) が強化されます。
- この領域は「意志力」「根気(Grit)」に直結。
- スーパーエイジャー(超高齢でも認知機能を保つ人)の共通点は、前部帯状回の発達にあり!
具体例
- 寒冷シャワー
- 嫌いなコーディネーション運動(例:ロープフロー)
「嫌だ」と思った瞬間にこそ、脳の成長チャンスが訪れます。
10日以上運動を休むと脳が劣化する
- 運動をしないと、わずか10日間で脳の酸素供給レベルが低下します。
- 長期の休止は、認知機能や気分にも悪影響。
- できるだけ運動習慣を切らさず、小さくても継続することが鍵。
睡眠と運動のゴールデンコンビ
- 運動は 睡眠の質(特に深い睡眠・REM睡眠) を高めます。
- 良質な睡眠は、運動による脳機能向上効果をさらに高める重要因子。
- 特に、朝の高強度トレーニング+早朝光曝露(サンゲージング)が推奨されています。
まとめ
脳を最適化したいなら、ただ運動するだけでは足りません。
科学的メカニズムを理解し、正しく設計された運動プログラムを実践することが必須です。
ポイントは以下の5つ:
✅ 骨に負荷をかけるジャンプ運動
✅ BDNFを活性化する高強度運動
✅ ラクテート代謝を促すHIIT
✅ 脳の若返りを狙う「嫌な運動」
✅ 睡眠の質を高めるための運動戦略
これらを習慣化すれば、長期的な脳の健康・パフォーマンス向上に繋がります!
関連リンク(外部)
元動画:How to Use Exercise to Improve Your Brain’s Health, Longevity & Performance