はじめに:心の健康に効く“現代版セラピー”とは?
「Maybe You Should Talk to Someone」の著者、セラピストのLori Gottliebと、神経科学者のAndrew Hubermanが対話する今回のエピソードは、恋愛や人間関係の悩みから自己理解・癒しのプロセスまでを深掘りする内容でした。
読了後には、「自分に合ったパートナーって?」「自分はどんな物語を生きているのか?」という本質的な問いに、きっと何かしらのヒントが見つかるはずです。
自分にとっての「難しさリスト」を書いてみよう
🔹 求めるもの vs 与えるもののギャップ
多くの人は「理想のパートナーに求める20の条件」を挙げる一方で、「自分と付き合う上での難しさ」はほとんど自覚していません。
Loriはこう提案します。
「相手に20の条件を求めるなら、自分にも“相手にとって難しい20のこと”を挙げるべき。」
この自己内省リストは、「人を選ぶ視点」から「自分の癖を見つめる視点」へと転換してくれる強力なツールです。
関係は“セメント”——最初が肝心
🔸 初期対応が未来を決める
関係の初期段階は“セメントがまだ固まっていない状態”。
この段階で我慢を重ねると、半年後に爆発します。
例)遅刻が苦手な人が、付き合い始めに何も言わない → 数ヶ月後「あなたは私を大切にしてない!」と怒りが爆発。
Loriのアドバイス↓
- 気になることは最初に言うこと
- 相手が変われるチャンスを奪わない
愛とは“オペレーティング・マニュアル”を理解すること
🛠 相手の取扱説明書を知ろう
- 相手が不安なときにどう接すればいいか?
- 何をされたら安心するのか?
- 話を聞いてほしいのか、解決してほしいのか?
「Love Language(愛の言語)」ではなく、 Operating Instructions(操作マニュアル) を共有することが、深い関係性の構築に繋がるというのがLoriの考えです。
「この人といると、私はどう感じる?」
🧘♀️ 感情の指標:安心・静けさ・満たされ感
- 一緒にいるとき、自分は落ち着いていられるか?
- 沈黙の中でも心地よいと感じられるか?
- 笑いや触れ合いに自然体でいられるか?
この“内側の感覚”は、リストや理屈を超えた重要な判断材料です。
「物語の再編集」こそが癒しの核心
✍️ 編集者として自分の人生を見る
私たちは皆、“不確かなナレーター”。
幼少期や過去の恋愛経験などから、「自分は愛されない」「信頼できない」というストーリーを知らず知らず背負っていることも。
Loriはセラピーを通じて、このようなストーリーを再編集するプロセスを提供しています。
- そのストーリーは誰が作ったのか?
- 自分の中にカウンターとなる証拠はないか?
- それを語り直すなら、どんな物語になるのか?
グリーフ(喪失)とは「前に進むこと」
🕊 悲しみを消すのではなく、抱えて進む
Loriは、グリーフは「乗り越える」ものではなく、「一緒に歩む」ものだと言います。
- 感情は押し殺さず、丁寧に向き合う
- その喪失が自分にとって何を意味するのか考える
- ただし、生きることをやめない
若者と男性性:語られない混乱と孤立
近年、若い男性たちは「どう生きていいのか分からない」という混乱にさらされています。
社会的に求められる“良い男性像”が曖昧になっている今、肯定的な男性性を再構築することが必要です。
- 自信・優しさ・境界線の明確さ
- 誰かを支える前に自分を整えること
- 対話と不完全さの許容
人間関係の本質は「語り直し」と「許可」
最後にLoriが強調していたのは、 「大きな人生を選びなさい」 というメッセージでした。
「こうなったら○○する」のではなく、「今」から始めよう。
📘 参考
元動画:How to Find & Be a Great Romantic Partner | Lori Gottlieb